2012年02月10日

[小説] 女神の護り手 序章(2)

ども、紅閃光です。

書くって、難しいね。
小説の出来損ないを作文レベルっていうけど、今のわたしはそれ未満。
想い(いまじねーしょん)はあるのに力(しっぴつぱぅわ!)が無い、そんな状態。
けど、立ち止まらない。止まりたくない。


(所要時間11.1分)女神の護り手 序章(2)


先導してきた一人はごく普通の人間の少女にように見えるが、まず縮尺がおかしい。
頭身はごく人間らしいが、サイズが小さすぎる。
隣の女性が一般的なサイズだとすれば身長はほぼ半分ぐらい。
半透明の白い花びらのようなデザインの衣装を着ており、その背中に蝶のようなトンボのような半透明の羽が生えている。
そこまでならプロポーションのよいコスプレをした幼女という線もあるが、床から50cmぐらいふわふわと浮き上がっているのが全てを否定している。
その姿はまさしく御伽噺やファンタジーに出てくる妖精にしか見えない。
よく見るとその羽は時折七色の光が通り過ぎ、まるで自らが光るプリズムのように思えた。こんな物体を竜弥は見たことが無かった。

あるいは隣の女性が大きいのか?
妖精少女が滞空しているのをとりあえず見なかったことにして、隣の女性に注目した。
妖精少女に最初に目が行ったので気がつかなかったが、隣の女性は明らかに人間とはかけ離れた異相をしていた。
耳の上ぐらいから2本のグネグネした角が突き出ているのは見なかったことにしても、目鼻口のバランスがかなり人間とはかけ離れている。位置より大きさが。特に目が大きい。
肌の色は普通に白いが、肩口から首と、顔のふちにかけて、まるで蛇のウロコのような真っ白で硬質なものに覆われている。・・・いやあふれ出る存在感と威厳が蛇に例えるのを拒否するかのようだ。
そう、蛇というより全ての獣の王とも言われるドラゴンのようだ。
竜人と呼ばれる生き物がいるならそれは目の前の人物こそふさわしい。なにより人外でありながら、人間の成人女性に通じる一種の美しさがあった。

そこまで観察して、竜弥はこの二人は何者かということと、自分がどこにいるかということに考えをめぐらせる。
仮にここが地球であっても、人間の世界ではあるまい。地球の公知の技術や特殊メイクで今の状況を説明するのはかなり苦しいだろう。
竜弥は自分に許された唯一の趣味である図書館通いで得た知識でそう結論づけた。
地球でなければ異世界か、魔界か、妖精界か、あるいは異星か。
いずれにしても、まさか自分がこんなファンタジーに遭遇するとは・・・。
とそこまで考えて、これが夢かもしれないという可能性に思い当たった。
首も動かなければ瞬きすらできない。
そういえば、体の感覚すらもないが、そのことが夢かどうかの判断材料にはならない。
もしこれが夢ならば、覚めたほうがいいか、覚めないほうがいいか・・・竜弥にはわからない。
とりあえず他人がいるのならば何らかの説明をして欲しい。

竜弥が考えをめぐらせたのは決して短い時間ではなかったはずだが、客観するとそのあいだ竜人の女性をじろじろ眺めていたはずだ。
彼女たちは無言で竜弥を見ていたが、竜人の女性と視線が合った瞬間、吸い寄せられるように視線が外せなくなった。目が引き寄せられたかのように、竜弥の意識を二つの大きな瞳だけが占領する。
この人物たちが人間と同じ喜怒哀楽や感情表現を行うかどうかはわからないが、おそらく同じだろうと思った。
だとすれば、その瞳には怒ったり侮蔑したり、あるいは竜弥をだましたり陥れようとしているようには感じなかった。
仮に自分なんかを騙したとしてもいかほどのメリットがあるだろうか。

『説明を聞く心の用意はありますか?』
竜弥の頭の中に声が響いた。
間違いなくテレパシーだろう。
もちろん竜弥にとってテレパシーを受けとった経験はないが、五月蝿くも幽かでもなく、音ではなく意味が直接聴こえるような感じがする。
どう返事を返そうか迷って何かを口走ろうとしたが、そのときになって自分が呼吸すらしていないことに気がついた。
やはり自分は死んだのだろうか?
昔の事故のときも目が覚めたときは体は動かずしゃべれなかった。目は動いたはずだったがもう記憶が定かではない。なんにしろ返事ができないという状態は同じだった。
『心の中でしゃべるつもりで良いです。この方法は言語に支障はありませんが表層意識でしかやり取りできません。』
『はい、わかりました。』
イメージで自動的に翻訳してくれるというわけかな?そう思いながら返事をするとうまく返せたようだ。
『私の名はファラーシャ。こちらがベルルです。貴方は?』
『竜弥。水元竜弥』
『では、タツミ。落ち着いて聞いてください。貴方は事故に巻き込まれました。生物としては生きていますが、人間としては死にました。全ての責任は私どもにあります。』
やはり、という思いがあった。事故はともかくとして、生物として生きて人間としては死んだ?どういうことだろうか?以前読んだ本では世界が滅んだ後にただ一人生まれた子供は獣と同じになると書いていた。すると?
『人間としての死?それは社会的生物としての死?つまり、もとの人間関係や生活には戻せない、もしくは戻れないと?』
『はい。タツミの家族や知人との連絡をとることはできないだけでなく、あらゆる情報の伝達が行えません。おそらく彼らにとってタツミは行方不明ということになるでしょう。』
家族なんていない、と返しそうになって思いとどまった。
そうだ、家族はいないが’彼女’がいる。
’彼女’は自分にとって一番家族に近い人で、たぶん彼女にとっても自分はそうであろうと思う。
自分が行方不明となれば彼女はどうするだろうか。少なくとも自分なら彼女が行方不明になれば探すだろう。
しかし、探しても見つからないときは?ずっと探すのか?自分にはそんな価値は無いのに。
自分がいなくても彼女はそれなりに生きるだろう。あるいは自分がいないほうが幸せになるチャンスはあるかもしれない。
いっそ死体でもあればそうもならないだろうが、行方不明というのは良くない。
竜弥は自分が彼女の足手まといになるのだけは我慢ができない。
『家族はいませんが・・・それに近い人はいます。帰れないのならそれはしょうがないとしても、行方不明というのはどうにかなりませんか?』
『ごめんなさい・・・じつは貴方がいた場所に戻るどころか、場所自体がわからないのです。幸か不幸か事故のとき貴方の右腕が千切れてしまったようで、おそらくはその場所に残っていると考えられます。貴方の身体構造からは致命傷だと判断されるかもしれませんが、貴方の星の社会構造がわからないのでなんともいえません。ごめんなさい、幸であるはずもありませんね。』
ファラーシャが気まずい表情を浮かべるが、竜弥は少しだけ気持ちが楽になった。最後の記憶は舗装されきった良くある市街地だったので、人間の腕が落ちていればひと騒動だろう。ついでに’彼ら’にちょっとした意趣返しになるかもしれない。

『そうですか・・・僕の体はどうなっているのですか?まったく動かないのですが。』
『私の視界を送りますが良いですか』
『はい』
視界を埋めていたファラーシャが、唐突に白っぽい塊になった。
よく見ると半透明の直立した棺というかカプセルというか・・・つるりとした膜のようなものに包まれて、鏡でよく見かける人間が入っているのが見えた。
他人の目を通すとそれが自分自身かどうかがはっきりわからなくなりそうだ。
右肩から先がなく、白いプレートのような樹脂のようなもので覆われている。
膜の中は液体か固体かわからないが、なにかで満たされていて人間なのか人形なのか見分けがつかない状態だった。
よく見ると目蓋は閉じたままピクリともしていないので、やはりさっきまでの映像は目で見たわけではないようだ。
カプセルの足元は曲線で、50cmほどの床のくぼみにはまり込むように、そして当たり前のようにくぼみの底から浮いていた。
なんとなくマトリョーシカとファラオの棺の間のような形をしている気がした。模様はないが。
こうしてみると、ファラーシャの身長は自分とほとんど同じか低いぐらいのようだ。存在感が大きくてそうは思えない。となりがまた小さいせいもあるだろう。

『貴方を回収できたのは偶然ですが、肉体の時間は止めています。』
時間が止まっているのに意識があると?それだけの技術があるのに事故は避けれないと?疑問とともに意外感が浮かんだが、ファラーシャに自分を事故に巻き込む必然性はないだろう。
それより自分がファラーシャの言葉をほとんど疑っていないことに気がついた。
テレパシーのせいなのか、洗脳されているのか、それとも直感なのかはわからない。とにかく、心の底で誰かが「これは夢ではない」とささやいているような気がする。
竜弥の視界が元に戻った。
肉体の目を使ってはいないようなのに、この視界は目を始点にしているようだ。

それにしても、自分の体の状態はあまり良くないようだ。
時間をとめることは出来ても、おそらく限定的な停止で、時を戻すことは出来ないのだろう。
でなければ自分と対話する必要などない。
おそらく時間停止を解除すれば遠からず生物的にも死ぬだろう。竜弥には死の実感は沸いてこなかった。
『僕はどうなるのですか?このまま死ぬと?』
『いえ、貴方が望むなら新しい人生を用意します。貴方の今までの生活とはまったく違うものになるでしょうが。貴方が寿命を迎えるまで私は貴方をサポートします。』
ファラーシャがそこで言いにくそうに言葉を空けた。
『もし・・・私の言葉を信じることができない、あるいは第2の人生が必要でないというのなら、貴方を永遠の時の中に封印します。苦痛はありません。眠りにつくだけです。』
『貴方を巻き込んでおきながらこのような提案しか出来ないことを申し訳なく思います。』
ファラーシャの気まずげな表情をみて、竜弥は彼女の感情表現が自分に通用することに軽い驚きと安堵感を覚えた。それと同時に、彼女がいったい何者かが気になった。
彼女には自分を洗脳しようという意図は無いようだ。だとすればこれは自分の直感なのか。
『あなたを信じます。ファラーシャ。だからあなたが何者で、なぜ僕を撥ねたのか教えてください。』
『・・・ありがとう。』
そう言ってファラーシャはにっこりと微笑んだ。
それはまるで女神の微笑みのように思えた。


to be continued



やっと「名前付き」3人目登場。
まぁ、姿だけは最初から登場してるけど。
1回で1人登場とも思ったけど、次回は誰も増えない予定・・・。
名前だけならなんとかなるかな?

異世界召喚モノって結構あるけど、異世界であってもとある惑星の話のはずなんだね。
たまに箱庭だったり異世界の地球だったりするところもあるけど、ほとんどが地球じゃないはず。
異星への入植はなんと大変なことか。

ということで、次回は科学っぽいターン、その次が魔法っぽいターンの予定。
あくまでもぽいだけだけど。

では、今日はこの辺で。
お湯カレー
posted by 紅閃光 at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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